2008年10月26日日曜日

エチオピアの電力危機とダム建設

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エチオピアの電力危機とダム建設

●エチオピア,発電所建設に遅れ,タケゼ,ギルギレベレ水力など

エチオピアの電力を,外務省のHPから要約すると,国土面積109.7万平方km,人口7,720万人(2006年世界銀行)。発電設備は650MWで95%が水力発電,1,330MWへ向かって増設中。南西部低地にある推定4兆立方フィートの天然ガスが開発されようとしている。

私は,エチオピアの電力をテーマーに,1997年7月(注1)と1997年10月(注2)の2度,エチオピアを訪問している。更にこの当時の電力事情について報告(注3)している。その時の状況は,人口も58百万人で,10年間で2000万人近く増えている。電力設備は当時421MWであったが,今日では650MWと言われており,更に,1,330MWに向けて増強を図っている。また,南西部低地にある推定4兆立方ftの天然ガスが開発されようとしている。10年前の首都アディオスアベバ(注1)で,北方遙かな青ナイルを想像したものである。

さて今日の記事であるが,現在増強を続けている二つの水力発電所工事が,地質上の難関に遭遇し,完成が遅れるというものである。二つのダムは,北部のテケゼ(注5)と南西部のギルゲルギベ第2(注6)で,二つとも予定より1年遅れの可能性,とエチオピア電力EEPCo(注7)から発表された。

ギルゲルギベ第2(注6)水力は,ギルゲルギベ第1(注9)の継続で,ダムはなく,そのままフォーマ山(注10)の下を25kmのトンネルで抜いて,オモ川渓谷(注11)に導いて,420MWを発dんするものである。このギルゲルギベ第2(注6)水力も,トンネルの地質に問題が生じて,そのルート変更に迫られ,追加工事費が必要とされている。

テケゼ(注5)ダムは,工事費総額20億ビル(注8),約2.2億ドル相当,出力300MWで,コンクリートのダブルアーチ型ダムであるが,地質的問題が生じて,地滑りを止めるために,新たに4億ビル(注8),約4,400万ドル相当,の追加予算を必要としている。EEPCo(注7)のデベベ総裁(注12)によると,二つのプロジェクトとも大きな追加工事費が必要で,完成は2009年8月になろう,と言っている。

10年前に首都アディオスアベバ(注1)から北の青ナイルなどを想像しながら,思いを馳せていたが,このように早く大規模なダムが建設されているとは知らなかった。地図を眺めると,北部のテケゼ(注5)川は,北に流れて,スーダンとの国境を越えて,今度自衛隊が行くカルトウーム(注13)でナイル川本流と合流する。ギルゲルギベ第1(注9)のあるオモ川渓谷(注11)は,西部を南に流れて,最後はビクトリア湖に入る,ああ,雄大である。

(注)(1) http://my.reset.jp/~adachihayao/Ethiopia.htm,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/EthiAdd.htm,(3) http://my.reset.jp/~adachihayao/EthiPower.htm,(4) Addis Ababa,(5) Tekeze hydro electric power project,(6) Gilgel Gibe II Hydropower,(7) the state power monopoly, Ethiopian Electric Power Corporation (EEPCo),(8) birr, 0.11$,(9) Gilgel Gibe I,(10) Fofa mountain,(11) Omo River Valley,(12) Mihiret Debebe, Chief Executive Officer (CEO) of EEPCo,(13) Kharutoum,(14)

●エチオピア,電力使用制限,新たな局面に

さて,このように,イタリアなどの支援でダム建設を続けているエチオピアであるが,常に電力不足に有悩まされている。今日の記事は,その第2ラウンドだ,と書かれている。2008年9月11日,エチオピア新年が始まったばかりであるが,EEPCo(注7)のデベベ総裁(注12)によると,水不足によるものである,としている。対策は,世界中から寄付されてくる節電用の30万個の電球だという。

エチオピアは最近,毎年13%に達する電力需要の伸びを示しているが,北部のテケゼ(注5)と南西部のギルゲルギベ第2(注6)の二つの水力工事が遅れ,問題となっている。昨年,2007年も厳しい電力不足に見舞われ,1,800の町で毎日6時間の停電が続いた。状況は更に悪くなると見られている。

現在エチオピアは,懸命に水力発電所の増設に努力している。それらは,テケゼ(注5),ギルゲルギベ第2(注6)の他,ベレス(注14),ウインドミツ(注15),フィンチャ(注16),アメルティネシ(注17)などである。これらの増強が完成すると,出力で3,270MWとなり国外へ輸出が可能となる。既に,北のジブチ,西のスーダンとは200MWの,また南のケニヤとは500MWの予備契約を行っている。政府は,電力輸出がコーヒーに変わってその王座を奪う,と豪語している。

送電線は建設が進んでいて,2008年内にはジブチとスーダンが連携できる。50万ボルト,延長1,200kmの送電線は,2010年完成予定である。ケニアと繋がればエチオピアは南部アフリカ電力網(注18)に連携し,スーダンとの接続が完成すると,北部アフリカ電力網(注19)に繋がり,地中海沿岸のエジプトまで連携できることになる。またジブチ線は,中東の系統とも繋がる。

しかし,まだ国内の電化には手間取っている。現在,全人口7,500万人のうち,19%が電気を受けているのみである。人口が1億人となるとされている2015年までには,100%の電化を達成するべく,EEPCo(注7)は考えている。ベレス(注14)は435MWで,2010年完成の予定である。

私の感じ。何だか,大きな送電構想があって,その下で19%のエチオピアの人々が電気を受けているだけ,という現実は,なかなか分かりにくい。テケゼ(注5),ギルゲルギベ第2(注6),ベレス(注14)などのは,相当の費用が注ぎ込まれているようで,アフリカ開発の難しさを痛感するエチオピアの現状である。

(注) (14) Beles,(15) Windmill,(16) Fincha,(17) Amertineshi,(18) the Southern Africa grid,(19) the Northern Africa grid,(20)

Reference

Ethiopia

●081022D Ethiopia, turkishweekly
エチオピア,電力使用制限,新たな局面に
Ethiopia to experience another round of power rationing Print
http://www.turkishweekly.net/news.php?id=60381
●081022E Ethiopia, nazret.com
エチオピア,発電所建設に遅れ,タケゼ,ギルギレベレ水力など
Ethiopia - Tekeze and Gilgel Gibe II Hydropower behind schedule
http://nazret.com/blog/index.php?title=ethiopia_tekeze_and_gilgel_gibe_ii_hydro&more=1&c=1&tb=1&pb=1

2008年10月17日金曜日

ザンビア全土で停電騒ぎ

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ザンビアで水力発電所事故のため,全土で停電
私自身は,ザンビアの電力,エネルギーについては,余り知らない。全土で停電,とのニュースで少し勉強してみた。私は,平成7年5月26日から6月8日まで,首都のルサカに滞在している。JICAの道路無償だった。当時は,JICA専門家の車のハンドルに大きな棒状の鍵を付けて駐車しており,また,大使館の車には天井に赤の十字が大きく書いてあった。盗まれたらヘリで国境まで追っかけて行くためだった。

東京電力がJICAの開発調査で,平成7年に地方電化のマスタープラン調査を行った。東京電力のメモによる。ザンビアの国土面積は約75万平方km,人口1,050万人,電力設備は167万KW,99.5%が水力である。ザンビア国家電力公社ZESCO(注8)が発電送電配電一貫して運営している。銅精錬用の電力が需要の半分を占めるという。南部の発電所から北部の銅鉱山まで,33万ボルト送電線が走っている。

ZESCO(注8)のHPで電源を見る。最大は,カフエ峡谷水力(注5)で,1972年に運転開始している。カフエ川(注1)にあり,150MW機6台で合計900MW。ビクトリア滝水力(注2)は,3つの発電所の合成で108MW。今回停電の原因となったカリバ北岸水力(注7)は,ザンベジ川(注14)のカリバダム(注15)左岸にあり,150MW4台で合計600MWである。他に小水力などがある。

さて今日の記事は,カリバ北岸水力(注7)の一部が,先週,事故を起こし,ザンビア全土に停電が広がっている,と言うものである。180MW,と書いてある。ZESCO(注8)の発表によると,50MWの発電所がが修理中で,現在鋭意,回復に向かって努力を行っている,と言うことである。

また,9月26日の記事で,中国のシノハイドロ(注9)が,カリバ北岸水力(注7)の増設を提案して来月にも準備に着手する,と言っている。ムタティ通商産業大臣(注13)が発表を行った。工事費は4億ドルで,その85%は中国輸出入銀行(注11)が準備する。シノハイドロのバオドン会長(注12)によると,180MW機2台,合計360MWで,緊急性を考え,42ヶ月で完成させたいとしている。

海外電力調査会の古市理事によると,彼がタンザニアを訪ねたとき,延々と国境を越えてザンビアに伸びる中国が造った鉄路を見て,中国のアフリカへの意志をかいま見た思い,と綴っている。ザンビアの政治はまだよく分からないが,別の記事によると,一人の大統領候補が,水力発電所を造るのに,中国の手を借りる必要ないと発言しており,中国への反感もあるようだ。

ウイキペディアによると,ザンビアは世界的な銅の産地(→カッパーベルト)で,日本の10円硬貨にもこのザンビアから輸入した銅が含まれている。他にも鉛,亜鉛などを産出する。小規模ながら繊維工業などもある。日本はこの国の援助に力を入れており、経済協力は年間57億円に上るという。東京電力の開発調査は行かされて行くのか。

東京電力のメモ
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu06_j/images/060706d.pdf
ZESCO
http://www.zesco.co.zm/general-transmission.html
停電記事
http://afp.google.com/article/ALeqM5iYne9UyVb3YjgFv7mv3UgeEoJaWw
中国の発電所支援の記事
http://allafrica.com/stories/200809260356.html


(1) the Kafue River,(2) Victoria Falls Power Station,(3) the Zambezi River,(4) Victoria Falls,(5) Kafue Gorge Power Stations,(6) Kariba Dam,(7) Kariba North Bank Power Station,(8) the state-run Zambia Electricity Supply Corporation (ZESCO).,(9) Sino Hydro Corporation of China,(10) Commerce Trade and Industry Minister, Felix Mutati,(11) China Exim Bank,(12) Sino Hydro chairman, Huang Baodong,(13) Chinese director-general of Hunan provincial department of commerce, Xiang Lili,,(14) the Zambezi River,(15)Kariba Dam,

2008年10月1日水曜日

ケニヤ電力公社 KenGen,危機に関し,関係企業の会議を招集

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ケニアは,ダム建設への円借款などを通して,日本も深い関係を持っている。私も,初めてのアフリカ訪問は,35年前のケニヤであった。今のケニヤは,国土面積58.3万平方km,人口3,510万人(2006年世銀),GDP総額191億ドル(2006年世銀),一人当たりGDP540ドル,発電設備1,082MW,ピーク需要908MW(2005年)であり,アフリカ東部の有力国である。

今日の報道は,電気料金の問題である。製造業のグループから,電気料金が高すぎると,猛烈な抵抗に遭っているのは,ケニア国家電力公社総裁 KenGen Managing Director Eddy Njoroge である。具体的な数字は明らかにされていない。この2008年6月に,Energy Regulatory Commission が電力公社の求めに応じて,料金値上げをした。

これに対して,製造業グループの Kenya Association of Manufacturers (KAM) の Vimal Shah, KAM Chairman が,経済レベルに対して電気料金が高すぎる,操業を停止する,と脅かしているわけである。KenGen Managing Director Eddy Njoroge は,高い理由として,渇水と石油価格の暴騰を挙げている。特に,需要の65%を占める Masinga reservoir が1045mまで下がり,SevenFolk dams in the Tana basin 全体が渇水に見舞われている。

KenGen Managing Director Eddy Njoroge は,直ちに関係者,Kenya power and Lighting Company (KPLC),Kenya Association of Manufacturers (KAM) からなる会議を持つ,と言っているが,賢明な]方策は困難だろう。地球の気候変動が,アフリカにも渇水をもたらせている。
「ソンドゥ・ミリウ水力発電事業」(60MW)に円借款を供与したJBICは,当時の状況を次のように記している。

「ケニアの電力需給状況は,設備の老朽化等により逼迫してきており,2005年時点の総発電設備容量は1,082MW,最大需要は908MWMWであった。今後10年間の電力需要は年平均約5%の割合で増加すると見込まれているが,老朽化した発電所の閉鎖が続く上,電力輸入先のウガンダ国内の電力不足のため電力輸入拡大も困難と見られており,逼迫する電力需給に対応するためには新規発電所の建設が緊要である。」

参考資料

●080930E Kenya, eastandard
ケニヤ電力公社 KenGen,危機に関し,関係企業の会議を招集Electricity firms, manufacturers set for crisis meeting
http://www.eastandard.net/InsidePage.php?id=1143995616&cid=14&j=&m=&d=